金主さまとの借入金の減額,返済猶予交渉で大事な事

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みなさま、こんにちは、東京ホテル会を主催しております高部です。
今回は借入金の返済減額または返済猶予につきましてのお話です。

金主さまも借り手が潰れる事を一番恐れています。

先ず、金主さまの立場で考えると...

 ○ 金主さまも今回のコロナでホテルの売上が急落している事は知っております。

 ○ 金主さまが一番恐れている事は、借り手が潰れてしまう事です。

お金の貸し手側のファンドの方からお話を伺ったのですが、根拠も提示をしないでいきなり支払いを半額にして欲しいと言われるのが一番むかつくと言っておられました。

お願いするにあたっては、きちんとした対応を行う事です。

 ● 減額または返済猶予を申し出る際は、売上減少についての正確なエビデンスの提示が必要です。

 ● 売上向上と経費節減について努力に努力を重ねたが、金主さまへ支払いの一時減額または返済猶予をお願いせざるを得ない、やむを得ない状態になっている事を包み隠さず報告しなければなりません。

 ● 景気が回復したら優先して減額していただいた分の支払いをする事を確約しなければなりません。

 ● 銀行筋は数字が大好きなのでしっかり分析数字も持っていきましょう。
この点は東京ホテル会の分析数字はお役に立つと思います。

 ● 金主さまのご担当者さまも上席者への報告をして、貸金を剥がすか、または減額して継続するかの決済が行われます。
その時に正確なエビデンスを提示できる事が信頼を勝ち取り、事業継続への道筋を作る事になります。

 ● 当然ながら減額等をお願いするにあたっては、ご自身でできる努力を行い、「生かさず殺さず」の状態にもっていってからのお願いとなる事をご理解ください。
雇用調整助成金の活用や給料やボーナスの減額は当たり前です。

先方(金主様)も知っておりますよ。どうか勇気をもってご相談に行ってください。

著者紹介

高部 彦二

東京のビジネスホテルに約40年間勤め、勤続中より、東京ホテル会を立ち上げる。
ホテル支配人として、東京ホテル会会長として、バブル崩壊、リーマンショック、3.11東日本大震災、そして今回のコロナショックと東京の宿泊特化型ホテルの変遷と進化を見続けてきた。
『これからの人を育てる』を信条に、品川区及び江東区の旅館組合長他、環境衛生協会、食品衛生協会等々、各種団体の重役として活動する傍ら、業界紙への寄稿も行う。最近のデータ分析は稼働率やADRよりも『RevPAR中心主義』を掲げている。

東京ホテル会

昭和60年、品川区・港区で営業中のホテルを中心に「情報交換と協力親和により共存共栄とホテル業界の向上発展に寄与する」事を目的として『東京城南ホテル会』として発足した。
その後、業界を様々に襲う危機の中、「各ホテルが生き残る為に必要な情報を得ることができる会」へと実践的な変貌を遂げ、平成10年『東京ホテル会』として都内全般のホテルが参加する会に発展した。
『競い合うことでしか生き延びる道は無し』をスローガンとして、毎月の稼働情報交換、他ホテル見学会、活動やセミナー・勉強会の開催等の活動を行っている。現在参加223ホテル、総部屋数43,429室。

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