2021年2月 東京ホテル会 エリア別分析

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みなさま、こんにちは、東京ホテル会を主催しております高部です。
今回は東京ホテル会、2021年02月時点のエリア別分析です。

東京ホテル会では東京のエリアを14エリアに分けてエリア毎のRevPAR順位をつけております。
この資料を見ながら2021年02月の東京の宿泊特化型ホテルマーケットで特徴があるエリアの分析をしていきたいと思います。

東京ホテル会エリア別RevPAR順位

銀座エリア、浅草エリアが苦戦

ワーストの方より述べます。

まず、銀座エリアの凋落が目につきます。
銀座はコロナが始まる前まではRevPAR単価が一番でした。
コロナが始まり海外客が途絶えたと同時に銀座は急降下していきました。
一旦急落していたRevPARですが10月11月12月と緊急事態宣言が発令する前は順調に順位をあげておりましたが、緊急事態宣言発令後は再び急落しております。
宿泊特化型のホテルに於いては銀座の価値というものが問われる世の中となっております。
今は土地の価格が高い割りには稼げないエリアになっております。

次に浅草エリアの窮状が上げられます。
浅草は東京のいや関東有数の観光地である浅草寺を中心とした人気観光エリアで、コロナ前は外人観光客も多く、オリンピック目当てでのホテル出店も増えておりました。
現在はホテル供給過剰エリアとなっており、いま浅草エリアは東京で一番、閉館と休館が多いエリアとなっております。
厳しい事に浅草は観光以外のリソースがほとんど無く、コロナでのインバウンド客途絶と緊急事態宣言での外出自粛のダブルパンチでほぼノックアウト状態になっております。

好調なのは渋谷・六本木エリア、新宿エリア

それでは、このコロナ下でも比較的良いところはどこかと言いますと、一番は渋谷・六本木エリアです。
このエリアの特徴として若い方が多い街でコロナについて恐がらないのが要因と考えております。
無論このエリアでもインバウンド客の集客をしておりましたが、コロナでインバウンド客が途絶えても一般客での充足と補てんが出来ました。
インバウンド客に比較して客単価とツインとダブルの利用率は下がりましたが、夜でも人が多い地域なので安定しております。

次に新宿エリアが良いのですが、東京ホテル会での新宿エリアの特徴として中央線沿線も新宿区エリアとして含んでおり、この中央線沿線のホテルのRevPARがとても良く、結果2位となっております。

今回のコロナ禍は都心部ホテルとインバウンド集客に依存していたホテルほど影響が大きい状況です。

なので、中央線沿線の吉祥寺や高円寺、立川のホテルにおいては、元々インバウンド集客も少なく、また地元の方がコロナを恐がって都心部には行かなくなり、地元での利用が増えた事と、地元でコロナが発生しないかぎり、あまり気にせず地元のホテルを利用をしていていた事が理由として考えられます。

それに反して新宿駅周辺ホテルは歌舞伎町のホストがコロナを地方にまき散らした騒ぎや、ヤクザとスカウトが揉めたりとダーティーなイメージが連日テレビで放映されてしまった結果、新宿駅周辺のホテルは駅周辺のホテルが多い状況と相まってRevPARはけっして良いものではありませんでした。

テレビでの多大な風評被害により新宿駅周辺のホテル様は悩まされております。

著者紹介

高部 彦二

東京のビジネスホテルに約40年間勤め、勤続中より、東京ホテル会を立ち上げる。
ホテル支配人として、東京ホテル会会長として、バブル崩壊、リーマンショック、3.11東日本大震災、そして今回のコロナショックと東京の宿泊特化型ホテルの変遷と進化を見続けてきた。
『これからの人を育てる』を信条に、品川区及び江東区の旅館組合長他、環境衛生協会、食品衛生協会等々、各種団体の重役として活動する傍ら、業界紙への寄稿も行う。最近のデータ分析は稼働率やADRよりも『RevPAR中心主義』を掲げている。

東京ホテル会

昭和60年、品川区・港区で営業中のホテルを中心に「情報交換と協力親和により共存共栄とホテル業界の向上発展に寄与する」事を目的として『東京城南ホテル会』として発足した。
その後、業界を様々に襲う危機の中、「各ホテルが生き残る為に必要な情報を得ることができる会」へと実践的な変貌を遂げ、平成10年『東京ホテル会』として都内全般のホテルが参加する会に発展した。
『競い合うことでしか生き延びる道は無し』をスローガンとして、毎月の稼働情報交換、他ホテル見学会、活動やセミナー・勉強会の開催等の活動を行っている。現在参加223ホテル、総部屋数43,429室。

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