コロナ禍での東京の宿泊特化型ホテルの底値と立ち回り
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みなさま、こんにちは、東京ホテル会を主催しております高部です。
今回は2021年02月の緊急事態宣言下での宿泊特化型ホテルについて考察です。
コロナ禍での東京の底値は...
やっと底値が見えてまいりました。
昨年(2020年)02月頃より日本でもコロナウイルスの感染が騒がれはじめました。
それまでは中国武漢で発生した病気として連日TVでの報道で知る程度でした。
その後の対応につきましては皆様の方が良くお知りの事と思います。
コロナ禍下で一年が経過し都心部の宿泊特化型ホテルの底値がやっと見えはじめました。
初めにお断りをしておきますが、これは浅草エリアや湾岸エリアを除く都心部の宿泊特化型ホテルの底値です。
都心部にある東京ホテル会会員様で02月平均価格(ADR)を¥2,800円くらいで販売されたホテルの稼働率が約90%となりました。
と言うことはADRを¥2,800円まで下げれば、ほぼ満室になるという事ですね。
無論この料金で販売をして採算がとれるのかという事とは別問題ですが...
この¥2,800円と言う金額にご記憶はございませんか?
そうですアパホテル様がコロナ当初にアパ直で提示された金額です、恐るべしアパホテル様!!、日本のプライスリーダーじゃ。
アパホテル様ですが今は¥3,800円ぐらいでの販売されておりますよね。
コロナ不況下で余りまくっている客室の底値は、このアパ直¥2,800円に引きずられております。トホホ...
立ち回りについてのご提案
ここで考え方ですが、02月の平均ADRが¥2,800円ですが、曜日毎の金額では天と地の開きがあります。
通常の都心部の宿泊特化型のホテルではビジネス利用を前提としております、そのビジネス利用が活発化するのが火曜日、水曜日、木曜日です。
この火曜日、水曜日、木曜日はやや高値でオーケーです、まあ今ですと¥4,800円ぐらい迄でしょう。
あとの月曜日、金曜日、土曜日、日曜日はやり方次第です。
私としては思い切って、稼動の悪い日曜日と月曜日は休館にするという手もありと考えています。
残りの金曜日と土曜日はシングルルーム2名利用の格安のアベックプランを作り、糊口を凌ぐ作戦が良いかと思います。
この場合の客室単価ですがシングルルーム2名利用で¥5,000円ですか。
まとめ(2021年03月05日現在の予測)
客室数を100室のホテル、平均稼働率80%
○火曜日、水曜日、木曜日は¥3,800円、RevPAR ¥3,040円 (現在のアパ直料金)
○金曜日と土曜日のシングルルーム2名利用は¥5,000円で割合30%、
○金曜日と土曜日のシングルルーム1名利用は¥3,000円で割合70%、合計RevPAR ¥2,520円
○日曜日と月曜日は休館
RevPAR ¥2,832円となります。
まあこれが底値と思います。
皆様は如何に思われるでしょうか。
高部 彦二
東京のビジネスホテルに約40年間勤め、勤続中より、東京ホテル会を立ち上げる。
ホテル支配人として、東京ホテル会会長として、バブル崩壊、リーマンショック、3.11東日本大震災、そして今回のコロナショックと東京の宿泊特化型ホテルの変遷と進化を見続けてきた。
『これからの人を育てる』を信条に、品川区及び江東区の旅館組合長他、環境衛生協会、食品衛生協会等々、各種団体の重役として活動する傍ら、業界紙への寄稿も行う。最近のデータ分析は稼働率やADRよりも『RevPAR中心主義』を掲げている。
昭和60年、品川区・港区で営業中のホテルを中心に「情報交換と協力親和により共存共栄とホテル業界の向上発展に寄与する」事を目的として『東京城南ホテル会』として発足した。
その後、業界を様々に襲う危機の中、「各ホテルが生き残る為に必要な情報を得ることができる会」へと実践的な変貌を遂げ、平成10年『東京ホテル会』として都内全般のホテルが参加する会に発展した。
『競い合うことでしか生き延びる道は無し』をスローガンとして、毎月の稼働情報交換、他ホテル見学会、活動やセミナー・勉強会の開催等の活動を行っている。現在参加223ホテル、総部屋数43,429室。