コロナで東京のホテルの売上はどうなったか?

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レポート、第1回目は東京ホテル会 高部彦二 会長に寄稿いただきました。

東京ホテル会は現在参加ホテル様は223ホテル様。
その内の33ホテル様が閉館もしくは休館中となっております。

業界に40年居ますが、今までこのような状況になった事は無く、未曾有の危機的状況となっております。

先ず、下記「図1:東京ホテル会過去3年間の単価とRevPAR推移」をご覧ください。

東京ホテル会過去3年間の単価とRevPAR推移

図1:東京ホテル会過去3年間の単価とRevPAR推移 (青線:客室販売単価 赤線:RevPAR)

データは 東京ホテル会、参加ホテル様より寄せられたデータの平均となっています。
客室販売単価(総客室売上÷総販売室数)とRevPAR(総客室売上÷総販売可能室数)の数字の乖離はいわば、稼働率によるものなので、この線の開きが大きいほど、稼働率は悪かったという事になります。

今期、2020年4月から2021年01月迄のRevPAR平均は2,134円となっております。

この期間のうち、コロナ下でGo Toトラベルが無い、2020年4月、5月、6月、7月、8月、9月、2021年01月の7カ月間の平均値は1,582円で、これがコロナ下での東京のビジネスホテルの実力での売り上げです。
2019年(1月~12月)の平均が10,154円である事を考えますと約84%の売上減となります。

1室あたりの1日の売上が1,582円という事は1ケ月(31日)で49,042円となります。
つまり、フロント、料飲、清掃...ホテルのスタッフが働いて産み出す施設の価値はコロナ禍で1ケ月5万円のアパートの価値にも満たなかったという事です。

Go Toトラベル期間の10月、11月、12月の平均値は3,423円となっております。
3,423円 - 1,582円 = 1,841円がGo Toトラベルによる嵩上げとなっております。
約120%の売上増ですが、2019年の平均売上 10,154円と比較しますと約66%の減であり、とても回復できた数字とは言えません。

この数字を見た時、一般の方は「おや?東京のホテルはGo Toトラベルの期間中、観光客であふれていたのではないのか?」と思われる方もいるのではないでしょうか?東京はビジネス目的の客が多く、かつ東京ホテル会は高級ホテルというより、ビジネスホテルの会員様が多く、実はそれほどの恩恵は受けれていないのです。
これをお読みになった方で、その機会がある場合、是非次の事を政治家の皆様に訴えていただきたくお願いします。
・Go Toトラベルでのビジネス利用の承認
(都市部への宿泊客の流入も増やしたいため)
・割引率では無くて一人当たりの定額補助金
(割引率だと恩恵の高い高額のホテルに宿泊客は流れ、ビジネスホテルへの恩恵が少ないため)
我々には日本医師会の様な強力な団体はないため、個別に声をあげるしかないのです。

最後に、コロナ禍がいかにいままでにない未曾有の事態かを示す為、過去20年のグラフを掲載します。

東京ホテル会過去20年間の単価とRevPAR推移

図2:東京ホテル会過去20年間の単価とRevPAR推移

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